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君がいた風
Chapter 1: The darkest past

俺は泣いた。
5年ぶりに泣いた。
悲しかった。
辛かった。
どこにも行きたくない、何もしたくない。
ただ・・・一人になりたい------------------

「美紀!」
俺は叫んだ。
美紀が謎の黒い物体のそばに行く寸前だった。
美紀は振向いた。ぞくっとした。
美紀ではなかった。
美紀に似てた。
美紀の顔。美紀のお気に入りの洋服。
 謎の物体はしゃべりだした。

「キミハモウテオクレダ。ミキハワタシタチノモノダ。モウニドトアウマイ。」

俺はびくっとした。手遅れだとは分かったが、あの物体の声にはどうしても笑えずにはいられなかったのだ!
美紀は冷たい目で俺を見た。
謎の物体は闇のポータルを壁に開けた。

「ミキ、ソロソロイクゾ。サイゴニナニカヲスマセロ。」

美紀はこくんと謎の物体に頭を下げ、俺の方に近づいてきた。
俺は怖くなってきた。
空気が冷たくなった。
美紀が歩いてる。
俺の知ってる美紀ではない。
俺が恋を誓った美紀ではない。
俺がキスした美紀ではない。
この美紀は何なのか?

美紀が20cmくらい俺から離れてる。
「ごめんね、祐樹・・・ごめんね・・・」
美紀が誤ってる。
しかし、俺の美紀ではない。
美紀がもっと近づいてきた。
俺は遠ざかりたい・・・足が動かない。
美紀の冷たい人差し指が俺の唇に触れた。
美紀の唇が近づいてきてる。
美紀の唇が------------



目を開けた。
俺の部屋にいた。
俺は寝ていた・・・
部屋を見渡した。
一つ気付いた。


俺と美紀の写真が無くなっていた。





 
 
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